ターゲット
公开日
工藤洋 生态学研究センター教授と清水華子 同研究員らの研究グループは、長期間にわたって気温が低い状態が続く冬に遺伝子発現を活性化させるゲノム領域を見出し、遺伝子組換え技術によって、長期の低温条件下でも成長を続ける植物を作出することに成功しました。
工藤洋教授はアブラナ科の多年生植物であるハクサンハタザオを使って、植物が季节に応答する仕组みについての研究をしてきました。これまでの研究で、季节に応答して発现量を変化させる遗伝子に特徴的な化学修饰状态を特定しています。この状态を手掛かりに、遗伝子発现を制御するゲノム领域であるプロモーターの中から季节に応答するプロモーターを见つけることで、どんな遗伝子にも季节に応答する能力を付加できるのではないかと考えました。ハクサンハタザオゲノムでの探索の结果、冬に遗伝子発现を活性化させるプロモーターとしてアルコールデヒドロゲナーゼ遗伝子(础顿贬1)のプロモーター领域(础顿贬1プロモーター)を见出しました。シロイヌナズナを使った検証実験の结果、础顿贬1プロモーターに制御される遗伝子は週単位の长期の低温に応答して机能することが确かめられました。さらに、高温条件下で成长を促进する机能を持つ遗伝子を础顿贬1プロモーター制御下で発现させた结果、长期の低温条件下にも関わらず本来は高温条件下で起こる成长が観察されました。
本研究成果は、2025年6月9日に、国際学術誌「The Plant Journal」にオンライン掲載されました。

研究者のコメント
「野外环境での植物の温度応答には分かっていないことが多く、今回焦点を当てた础顿贬1だけではなくその他多くの遗伝子が长期的な温度変动倾向の感知に関与していることが予想されます。野外环境下での温度応答をさらに调査し、长期的な温度変动倾向感知のメカニズムを解明したいです。」(清水华子)详しい研究内容について
研究者情报
研究者名
工藤 洋
研究者名
清水 華子
书誌情报
【顿翱滨】
【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】
【书誌情报】
Hanako Shimizu, Haruki Nishio, Hiroshi Kudoh (2025). Plant ADH1 promoter acts as an H3K27me3-associated hyper-long cold-responsive promoter. The Plant Journal, 122, 5, e70248.
【书誌情报】
Hanako Shimizu, Haruki Nishio, Hiroshi Kudoh (2025). Plant ADH1 promoter acts as an H3K27me3-associated hyper-long cold-responsive promoter. The Plant Journal, 122, 5, e70248.
関连部局