日本は毎年约2500万トンもの穀物(トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ソルガムなど)を海外から输入しています。输入穀物の中には、输出国の农耕地で生育していた様々な雑草种子も混入しています。输入穀物に混入して侵入する外来植物には农业害草となる种类も多いため、侵入初期に発见してその盛衰を追跡することは、外来植物の効果的な予防管理にも役立ちます。
下野嘉子 農学研究科准教授、池田茉史 同修士課程学生、西健志 同修士課程学生、浅井元朗 農業?食品産業技術総合研究機構グループ長補佐らの研究グループは、全国の国際貿易港20港で春と秋に植生調査を行い、穀物の輸入量が多い港(穀物輸入港)と穀物を輸入していない港(非穀物輸入港)の植物の組成を比較しました。さらに、穀物輸入港で多く見られた種が輸入穀物にも多く混入しているのかを検証しました。
各港の植物の种组成の类似度を计算して分类したところ、调査した20港は、北から南まで纬度に沿った违いがあることが确认できました。さらに、穀物输入港と非穀物输入港间で植物の组成が异なることも示されました。つまり、港湾周辺に生える植物の种组成は、気候の违いに加えて穀物输入港か否かによる影响も强く受けていました。植生调査の结果と输入穀物への混入率との関係を调査した结果、穀物への混入量が多い种ほど穀物输入港に偏って生育している倾向が认められ、穀物输入港周辺での外来植物の定着には、输入穀物への混入量が强く影响していることが示されました。
本研究成果は、2022年2月17日に、国際学術誌「Biological Invasions」のオンライン版に掲載されました。

【顿翱滨】
Mafumi Ikeda, Takeshi Nishi, Motoaki Asai, Takashi Muranaka, Akihiro Konuma, Tohru Tominaga, Yoshiko Shimono (2022). The role of weed seed contamination in grain commodities as propagule pressure. Biological Invasions, 24(6), 1707-1723.
日刊工業新聞(3月3日 20面)に掲載されました。