第4回京都大学附置研究所?センターシンポジウム開会 挨拶 (2009年3月14日)

第25代総長 松本 紘

京都大学附置研究所?センターシンポジウム「京都からの提言」によせて

松本総長 京都大学は、「知の伝承」とともに「知の创造」に携わる研究大学であり、22もの研究所や研究センターがあります。本日のシンポジウムは、これらの研究所や研究センターがまとまって主催しております。

 本日のシンポジウムは、京都大学のもつ自由の学风や阔达な対话、さらに自主自律の精神に基づいて推进してきました、先端的学术研究の成果の一部を皆様に绍介しようという企画です。

 通常、学问といいますと、経済学とか医学とか、大学の学部や大学院の研究科単位、あるいは社会学や応用化学学科などの学科や専攻ごとに分かれていると思いがちです。さらに、高校生からすると、数学や世界史、化学などと分かれていると思うことでしょう。
しかし、社会における诸问题は、ほとんどが以上のような既存の学问だけでは本当の解决策を得ることができません。実际は、异なる分野の研究がつながってこそ、新しい発想を得ることができ、そして问题も解决できるのです。さらに、これらの问题解决のプロセスにこそ、既存の教科や学问の枠を超えた、学ぶことや考えることのおもしろさがあるのです。

 本日の企画は、こうした学问のつながりのユニークさ、そして异なる分野の研究がつながる学问の醍醐味を、皆様に味わっていただこうという趣旨です。必ずや皆様に満足していただけ、なるほど、研究とは面白いものなのだ、未来を开くのだ、学问はこのようにつながるのだということを実感していただけると确信しています。

会場の様子 研究所?センターの重要な使命には、以上のような、异なった学问をつなげて新しい研究を行う、さらに社会の変化に対応して新たな学问领域を创生するという大きな仕事があります。京都大学にあります22もの研究所やセンターは、このような方法による问题の解决や、あるいは、従来とは异なった学问の取り组みに努力してまいりました。それにより、それまで想像もつかなかったものの见方や、技术、あるいは方法を生み出すことにより、まったく新しい未来を开いたこともあります。これらの研究は、当然、世界一流です。

 従来の価値体系にとらわれない自由な研究、権力におもねることのない自立した研究が、特に若手研究者によって遂行できる环境の整备は重要です。このような环境と、これら组织の研究者の热意があってこそ、自由と自立を重んじる学风が世界一流の研究を生み出すのです。そして、思いやりをもつことができ、そして国际社会で活跃できる人材を育成できると确信しています。

 本日、ここに集まっていただいた皆様に感谢申し上げると共に、魅力?活力?実力ある京都大学の教育?研究活动から生み出された「京都からの提言」に耳を倾けてくださいますようお愿い申し上げます。

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